littlewing

人間とコンピューターとメディアの接点をデザインするために考えたこと

Unityで利用する c++ のDLLを作成する。(Visual Studio 2017)

基本的に、以下のページにある手順で進めればNative Plugin を作成できるのですが 解説が、VS2013ベースになっているので、Visuai Studio 2017で実施した場合に ハマッた部分を、忘れないうちにスクショ付きでまとめました。

部分的にしか解説してないので、全体は以下のページを参照してください。

qiita.com

でやりました。


DLLビルド用のVSプロジェクトの準備

  1. 既存のソリューションに、DLL作成用のプロジェクトを追加する場合はこんな感じでスタート

2018/8/17追記 VS2017 update 3 ではこの部分がまた変更になっています。 * Visual Studio 2017 Update 3 以降で Win32 プロジェクトが作成できなくなった時の対処法 - Qiita

f:id:pigshape:20180118122930p:plain

  1. DLLを作るのですが、この画面では、「c++ のWin32コンソールアプリケーション」を選択。 f:id:pigshape:20180118123005p:plain

  2. 次に表示されるこの画面で「アプリケーション設定」をクリックして、DLLを選択します。 シンボルのエクスポートも忘れないように。 f:id:pigshape:20180118123057p:plain

  3. Unityに出力するなら「SDLのチェック」は外さないといけないらしいです。

f:id:pigshape:20180118133326p:plain


で、コードを書く。ここは省略します。


exe形式で実行テスト

同一ソリューション内で、テストのためのexe用プロジェクトを作成したのであれば、 「参照の追加」を行うのが、手っ取り早いです。

f:id:pigshape:20180118131611p:plain

ただし、既存の外部DLLやlibを使う場合はこれではダメです。 そのような場合は、以下の3つを設定します。

  1. c++  > 全般 > 追加のインクルードディレクトリ include/フォルダを指定し、その中に.hファイルを置く f:id:pigshape:20180118131154p:plain

  2. リンカ >全般>追加のライブラリディレクトリ libフォルダを指定 f:id:pigshape:20180118131322p:plain

  3. リンカ >入力 >追加の依存ファイル libファイルを指定 f:id:pigshape:20180118131345p:plain


作成したDLLをUnity上で実行する

Unityからは

[DllImport("sample-opencv-dll")] private static extern int CountUp();
            Debug.Log(CountUp());
            Debug.Log(CountUp());
            Debug.Log(CountUp());

のような感じで呼びだすことができます。 「DllImport」にファイル名を書くときは拡張子 (.dll)を含めるとエラーになるので含めません。


libで追加ライブラリを指定した場合は、そのdllもPlugins内に配置しておかないと、

Plugins: Failed to load 'Assets/Plugins/x86_64/xxxxxxxx.dll' with error '指定されたモジュールが見つかりません。
'.

という警告や

DllNotFoundException: Failure has occurred while loading a type.

という例外エラーが発生するので、関連DLLの配置もお忘れなく。


おまけ 既存DLL ( or lib ) の中身を解析する方法

スタートメニューから[開発者コマンド プロンプト for VS2015]を起動する

  • DLLのインターフェースを確認する
cd (DLLの場所)
dumpbin  /exports xxxxx.dll
  • dllが32bitか64bitか確認する。
dumpbin   /HEADERS xxxxx.dll | findstr machine

Visual Studio 2017のみでdumpbin を使う。(追記2018.12.28)

[開発者コマンド プロンプト for VS2015]は、Visual Studio 2017 のみインストールしていると、スタートメニューに表示されない。

利用するにはコマンドから起動する必要がある。

Win +R を押して

cmd /k "C:\Program Files (x86)\Microsoft Visual Studio\2017\Community\Common7\tools\VsDevCmd.bat"

で起動できる。 ちなみに、dumpbin.exe自体は

この辺りにある。

参考: If you have Visual Studio 2017 installed then you can use dumpbin to dump the PE... | Hacker News

Unity 2017.3 で TouchScreenKeyboard が使えない

Unity 2017.3を利用してHoloLensアプリを開発する際に、キーボードが使えなくて困ったのでメモ。

D3DのHoloLensアプリケーションではキー入力が使えないのですが、 Unity 2017.2までは、 Build TypeをXAMLにして、TouchScreenKeyboardを利用すれば、自動的にXAML画面が呼び出されて文字入力を行うことができました。

littlewing.hatenablog.com

具体的には以下のコードをGameObjectにアタッチすると、startが呼び出された時点で、本来はキー入力画面が表示されます。

public class InputTest : MonoBehaviour
{
    TouchScreenKeyboard keyboard;
    public static string keyboardText = "Input any";
    // Use this for initialization
    void Start()
    {  
        Debug.Log("start keyboard");
        if (keyboard == null)
            keyboard = new TouchScreenKeyboard(keyboardText, TouchScreenKeyboardType.Default, false, false, false, false, "sample prompting text that goes above the textbox");
        else
            keyboard.active = true;       
    }
}

しかし、これが、Unity 2017.3では動かない。アプリが落ちてしまいます。特に例外も発生しない。

Unity version Result
Unity 2017.4.3f1 not working new 18/05/30
Unity 2017.3.1p4 not working new 18/05/30
Unity 2017.3.0b10 not working
Unity 2017.3.0b10 not working
Unity 2017.3.0f3 not working
Unity 2017.2.0b11 working
Unity 5.6.3f1 working

Unity 2017.2とUnity 2017.3でBuild出力されたC#プロジェクト内の、MainPage.xaml.csを比較してみたところ、

 appCallbacks.SetKeyboardTriggerControl(this);

の記述が、Unity 2017.3では削られていました。

//Unity 2017.2.0b11で出力した、MainPage.xaml.cs抜粋

appCallbacks.RenderingStarted += () => { RemoveSplashScreen(); };

#if UNITY_UWP
                if (Windows.Foundation.Metadata.ApiInformation.IsApiContractPresent("Windows.Phone.PhoneContract", 1))
                    isPhone = true;
#endif

//ここから、4行がUnity2017.3では無い。
#if !UNITY_WP_8_1
                appCallbacks.SetKeyboardTriggerControl(this);
#else
                isPhone = true;
#endif
//ここまで

appCallbacks.SetSwapChainPanel(GetSwapChainPanel());
appCallbacks.SetCoreWindowEvents(Window.Current.CoreWindow);
appCallbacks.InitializeD3DXAML();

そこで、2017.3側で SetKeyboardTriggerControlを追加しようとしたところ、そんなメソッドは無いと怒られます。

f:id:pigshape:20180105194643p:plain

Documentには載ってるのに・・

あきらめて、自前でXAML Page作ります。

xaml切り替えは @d_yamaさんの解説記事がわかりやすいです。

blog.d-yama7.com

HoloLens+Arucoを触ってみた

こちらのリポジトリの「HoloLensArucoTracking」を触ってみた https://github.com/KeyMaster-/HoloLensArucoTracking/

  • Editor用とHoloLens用のSceneがある。
  • 使い方はReadme見れば大体わかる
  • Unity 5.6.3とUnity 2017.3.b10でHoloLens実機ビルドできた。

youtu.be

注意点

特定のIDに反応させたい

  • MainCameraについている、MarkerObjectPlacer.csがONの状態だと、どのマーカーにも 反応してCubeが表示される。
  • 特定のIDを利用したい場合は、TrackedObjectExampleを利用する。

マーカーIDを指定しても反応してくれない

  • READMEにも書いてあるが、ArucoのマーカーIDがOpenCVのものと、本家(このコードはこっち)で異なる。 そのためAruco Marker Generatorなどで、マーカーを作成した場合はIDが異なるので注意。 どのIDが反応しているかを調べるには、先ほど書いたメインカメラについている、MarkerObjectPlacer.csのonDetectionRun()部分で
        for (int i = 0; i < ArucoTracking.marker_count; i++) {
            PoseData pose = trackingRunner.poseDict[ArucoTracking.ids[i]];
            Debug.Log("ID is " + ArucoTracking.ids[i]);  //★この行を追加

            quadInstances[i].transform.localPosition = pose.pos;
            quadInstances[i].transform.localRotation = pose.rot;
        }

などとしてやれば調べることができる。 OpenCVのMarkerID:1はこのコードではID:256として反応した。

マーカーの位置がずれる

MainCameraについているArucoRunner.csに、マーカーの実寸サイズをちゃんと指定してやる必要がある。

一辺、36mmのマーカーなら、Inspector上でMarker Size 0.036と指定してやる。


その他のAruco関連ライブラリ

MarkerBased AR Example

ちなみに、Arucoを動かすことができるAssetがAssetStoreにもある。

こちらも試していましたが、カメラキャリブレーションがそのままでは、ガバガバなので、 ちゃんと使うには自前で調整が必要そうです。

aruco-unity

Unity上でのカメラキャリブレーションに関しては、こちらのプロジェクトにはキャリブレーション用のシーンがありました。

github.com


参考ドキュメント

Unity EventをInspector上で登録できるようにする

説明用にメモ

public なUnityEventを作成すると、Inspector上で、イベント内容を登録できるようになる

using UnityEngine;
using UnityEngine.Events;

public class Hoge: MonoBehaviour{

        public UnityEvent onInitialized;

}

f:id:pigshape:20171215164816p:plain

このイベントはどこかで初期化しておく必要がある。

void Start(){
            if (onInitialized == null)
                onInitialized = new UnityEvent ();
}

イベントの呼び出しはInvokeを利用する

//イベントを発火する
if (onInitialized != null)
    onInitialized.Invoke ();

Hologram Stability (ホログラムの安定性) の日本語訳

1年ぶりとなりますが、HoloLens / Windows Mixed Realityのドキュメントの中から「Hologram Stability」を自分の勉強のために翻訳(意訳)しました。

win10-HoloLens_front

元のドキュメントはこちらです。

以前からあったドキュメントですが、Immersive HMDに関する記述もあるので、内容は最近更新されているかもしれません。 2017/11/11現在の内容を基に作成しています。

コードとかUnityの知識に関しては記述されておらず、アプリ設計段階で必読の基本的な動作原理とFPSの維持がなぜ重要か?の話となります。

注意事項として、 Color sequential displayのハードウェアの仕組みと、輻輳角などの眼に関する前提知識がそれほど無いため、 そのあたりの翻訳の正確性が低い可能性があります。是非、原文も参照してください。

あと、ホログラム警察の方、ごめんなさい。多少変えていますが、原文を尊重して記述しています。 ホログラムは3Dオブジェクトと読み替えてください。


目次

ホログラムの安定性

  1. ホログラム安定性にかかわる用語
    • Accuracy (正確性)
    • Jitter (ジッター/ゆらぎ)
    • Judder (ジャダー /振動)
    • Drift(ドリフト/ずれ)
    • Jumpness (ジャンプ)
    • Swim (およぐ) 
    • Color separation(色分離)
  2. フレームレート
  3. ホログラムを配置する距離
  4. 安定化平面
  5. 色分離
  6. 関連ドキュメント
続きを読む

HoloLens のDevicePortal API(REST)にPHPでアクセスする

8/20追記 後で気づいたのですが、以下の記事はDevicePortalのSSLをOffにした状態で試したものです。デフォルトのSSL ONの状態ではそのまま動かないのでご注意ください。Tokenの管理が別途必要です。時間が出来たら記事にします。

録画機能の実行のためにDevicePortal APIを使ってみました。

APIの公式ドキュメント(英語版)はこちら

はまったのは、ドキュメントをみると、POSTメソッドのAPIでもパラメータはGETで渡す必要があります。

あと、日本語版の公式ドキュメントと英語版で若干違ったので、英語版を見た方が良いかも。

続きを読む