Windows HolographicとHoloLens、そしてIntelの思惑
現在発売されているHoloLensは、Microsoftの「Windows Holographic」という構想、プラットフォームにおける、最初の1製品という位置づけです。
2015年1月に初めてHoloLensが発表された際にも
本日発表されたデバイスのHoloLens は、このWindows Holographic をデモするために用意されたプロトタイプの位置付けです。 マイクロソフト ホロレンズはプロトタイプ段階ながら、単体でホログラフィック・コンピューティングの機能が利用可能。 スマートフォンやPCに接続する必要も、ジェスチャや外界認識のための外部マーカーや入力機器も不要とされています。
と説明されています。
その後、2016年6月に、Windows Holographicプラットフォームに関して、より具体的な内容が発表されました。
- 「Microsoft HoloLens」を支える「Windows Holographic」プラットフォーム--MSがパートナー向けに公開 - CNET Japan
- 複合現実 (MR) の幕開け -Windows Holographicをパートナーに公開 | Windows Blog for Japan
ざっくりいうと、
- WindowsPCのプラットフォームにおいて、2Dデスクトップ環境とシームレスに利用できるVR/MRの環境が、WindowsOSの機能として標準的に組み込まれる。
- HoloLens以外にもWindows Holographicに対応した、ヘッドマウント型のデバイスが順次発売される
- サードパーティーにも技術仕様は公開され、Microsoft以外からもWindows Holographicデバイスが発売される
というところがポイントだと思います。
上記記事によると、Windows Holographicプラットフォームには、
- Windows ホログラフィック シェル(Mixed Reality環境おける3Dデスクトップ環境)
- ユーザーインターフェース
- 認識API
- Xbox Liveサービス
が含まれています。
非公式な情報かもしれませんが、 Windows Holographicに対応した、Windows標準のPaintアプリのWindows Holographic対応版もデモ動画も公開されています。
Video: Introducing the New Paint Preview app https://t.co/wHzeAQkVqy pic.twitter.com/pk1f2MbNsM
— WalkingCat (@h0x0d) 2016年10月7日Video: Introducing Smart Select and Make 3D featurea of the New Paint Preview app https://t.co/SEvLqTr7kr pic.twitter.com/gl4sPW8xfG
— WalkingCat (@h0x0d) 2016年10月7日
ちなみに、HoloLensのデスクトップ環境は公式ドキュメントでHoloLens Shell と記載されています。
HoloLens ShellとWindows Holographic Shellの定義の違いが、はっきりわかりませんが、Windows ホログラフィック シェルはHoloLens以降に今後発売されるMRデバイスも含めた、プラットフォーム全体のShellを指すのかもしれません。
Windows Holographic のロードマップ(個人調べ)
時期 | 内容 |
---|---|
2015年1月 | HoloLens発表 |
2016年4月 | アメリカ・カナダでHoloLens発売 |
2016年6月 | Windows Holographicをパートナーに公開することを発表 |
2017年1月 | 日本でHoloLens発売 |
2017年4月 | Windows 10 Creator Update配布開始 |
2017年4月 | Creator Updateにあわせて Windows Holographic対応の、VR HMDがサードパーティーから発売 |
2017年後半 | LenovoがWindows Holographic対応VRHMD発売予定 |
2017年後半 | IntelがWindows搭載VRヘッドセット「Project Alloy 」発売予定 |
この流れの中でOculus/HTC Vine/PSVRなんかのハードウェアも、 Windows Holographic に対応してくるんじゃないでしょうか?楽しみですね。
Intelの思惑
Windows Holographic対応のProject Alloyを発表したIntelですが、かならずしもMicrosoftとべったりというわけではありません。
Project AlloyはPC内臓のワイアレスVR HMDとして動作し、単独で環境トラッキングも可能なのですが、これには、インテルの技術である
の技術が詰め込まれています。
NUCはさまざまなOSを入れることができ、かならずしもWindows10というわけではなさそうです。
ほんとに書きたかった事はHolographic Remotingの事なんですが、長くなったので、前提の話で一旦、終わります。続きは後日。